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2006年06月17日

脳が復活!抗うつ薬はココに効く

書いた人: 佐藤未果(ライター紹介) カテゴリー:ストレス対策コラム

あなたの身近な人がうつ病になったら、どうしますか。
まずは医者(心療内科・精神科)に連れて行くと答えたあなた、大正解です。
うつ病の治療には、医師の処方箋が必要な抗うつ薬の服用が、どうしても必要なんです。

「でも、薬でうつ病が治るって、なんだかアヤシイ。飲まない方がよさそう」

こんな偏見がまだまだまかり通っている中、
医学研究の最先端では、すでに
抗うつ薬が脳内のどの細胞に働いて、その結果どうなるのか
詳しいメカニズムが明らかにされつつあります。


今回は最先端の研究報告の中から、
抗うつ薬が脳細胞を増加させる仕組みが明らかに
というニュースをご紹介しましょう。


元の論文(*1)を書いたのは、アメリカで研究しているJ.M.Encinasさん。
成熟マウス(注1)にフルオキセチン(注2)というSSRI(注3)を15日間与え、
脳内の神経細胞の変化をくわしく調べたところ、
海馬(歯状回)の「神経前駆細胞」という細胞の数が増えたと報告しています。

神経前駆細胞とは、神経細胞の一歩手前、
もう少し成長すれば神経細胞としてちゃんと働くことができる、いわば神経細胞の子供です。
おかあさん細胞である「幹細胞」自体は数が増えませんが、
おかあさんが分裂してできた子供である「神経前駆細胞」自身がさらに分裂して、
神経細胞の数を増やすよう働きかけているのが、フルオキセチンだったというわけです。


すこし前まで、人の脳や神経細胞は一度死ぬともう再生しないと考えられていましたが、
最近の研究では、海馬などで再生がおこると分かっています。(*2)

うつ病では海馬の神経細胞の数が減っていること、
加えてストレス状態に置いたラットにSSRIなどの抗うつ薬を長期間飲ませると
海馬の神経再生を増やすこともすでに報告されていました(*3)が、
ここまで詳しいメカニズムが分かったのは、この研究が初めてとのこと。
すごいですね。


私自身、うつ病患者としてSSRIの一つ、パキシルを飲み始めた時、
3-4週間経ったころ突然、目の前がぱぁっとひらけて
世界中が明るくなったような感覚を体験しました。

その時私の脳内では、新しく生まれた神経細胞が
せっせと脳の回路を修復していたのかもしれません。

--
注1 マウス……実験用のねずみ。小さいのがマウスで、大きいのはラットと呼ばれる別の種類。
注2 フルオキセチン(fluoxetine)……商品名Prozac。日本では未発売のSSRI。
注3 SSRI……選択的セロトニン再取り込み阻害薬。脳内で働くセロトニンの量を増やす効果がある。

参考文献:
*1 J. M. Encinas, A. Vaahtokari, and G. Enikolopov, Fluoxetine targets early progenitor cells in the adult brain. PNAS. 2006 May 23;103(21):8233-8.
*2 よくわかるうつ病のすべて p.21 (2005,永井書店)
*3 S. L. Santarelli et al, Requirement of hippocampal neurogenesis for the behavioral effects of antidepressants. Science. 2003 Aug 8;301(5634):805-9.




次回も読んでくれます?
すごく Yes の方 投票する! 
やや Yes の方 投票する? 
別に … の方 ハーブ でも飲んで、もっと素直な子になって下さい


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