"うつ"とサカナの海より深い関係
| 書いた人: 佐藤未果(ライター紹介) | カテゴリー:ストレス対策コラム |
あなたはここ最近、魚をいつ食べましたか?
世界中で一番魚を食べることで知られる日本人ですが、
04年度には一人あたり年間62.7kgと、88年度のピーク時より10kgも減少。
魚離れが進んでいるようです。
健康にいいと言われている魚の消費をふやそうと、
ライブハウスでの自作のロックと、マグロの頭の解体ショーで
「魚を食べよう」と歌いながら呼びかける魚屋さんまであらわれました。
でも、魚が健康にいいって、どういいの?
そこで今回は「魚の油とメンタルヘルス」について探ってみました。
まずは、魚の脂がうつ病改善に効果あり、との研究結果をご紹介しましょう。
イスラエルの医師、Belmakerさんらが2002年に発表した研究(*1)によると、
うつ病の治療薬を3ヶ月以上飲みつづけているうつ病患者に対して、
治療薬投与を続けながら、カプセルに入れた魚油 (E-EPA, *2)を
1日1グラムづつ飲んでもらったところ、
2週間で、うつ病の評価尺度(*3)のスコアが劇的に改善。
魚油を飲まなかった人たちに比べて、明らかにうつ状態が改善したとのこと。
なぜうつ病改善に魚油が効くのか、完全なメカニズムは分かっていませんが、
魚の油に多く含まれる「オメガ3」という物質が関連していると言われています。
「オメガ3」とは、特定の分子構造を持つ不飽和脂肪酸の総称で、
魚の油に含まれる、あの「DHA」「EPA」がオメガ3に分類されます。
実は、オメガ3は、必ず食べなきゃいけない大事な栄養素。
脳の神経細胞の細胞膜には、多量のDHAが含まれていますが、
DHAを作るための材料であるオメガ3自体は
体内で合成できないため、食物から直接摂る必要があるのです。
うつ病の患者は、脳がうまく働いていないといわれているので、
もしかしたらオメガ3を摂ることで、
脳細胞の回復が早くなったのかもしれませんね。
スーパーでよく聞く歌のように、
「魚をたべると、頭がよくなる」かどうかは分かりませんが、
メンタルヘルスを保つためには、魚を食べるのが大事かも。
さっそく今晩、シーチキンでも食べてみようかな。
*1 Nemets B, Belmaker RH et al., Addition of omega-3 fatty acid to maintenance medication treatment for recurrent unipolar depressive disorder. Am J Psychiatry. 2002 Mar;159(3):477-9.
*2 E-EPA … エチルエステル化EPA。胃の消化酵素リパーゼにより分解され、EPAとなる。
*3 24項目からなる「ハミルトンうつ病評価尺度」を使用。医療者が患者との面接時に口頭で行うもので、自己評価用ではない。日本でよく使われる17項目バージョンはこちら
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