映画「トランスアメリカ」~滑稽でも切なくても人生は続く~(後編)
| 書いた人: 森のモモ(ライター紹介) | カテゴリー:ストレス対策コラム |
前回は映画「トランスアメリカ」が持つ設定のユニークさと、
いわゆる“普通”の生活をしている私たちとの共通点について書きました。
今回は私の感想から始めましょう。
おもしろかった~!噂にたがわぬ秀作でしたよ(^^)。
物語の中盤以降は登場人物たちの何気ない仕草や会話、
表情の変化に胸が詰まり気がつくとポロポロと涙を流していました。
「トランスアメリカ」は、前回も書いたように決して派手な内容の大作ではありません。
性同一性障害でトランスセクシャルであるブリーの身に起こった一週間の出来事を、
時にユーモラスに時にほろ苦く静かに描いたロードムービーです。
いつも生気がなくどこかおどおどした表情をしているブリー。
豊胸手術を済ませホルモン剤を服用しているとはいえ絶世の美女というわけではなく、
せいぜい地味でイケテナイおばさん程度に見せるのがやっと。
一週間後には念願の“最後の手術”を控えているのですが、
この手術費用を貯めるためにレストランの皿洗いや電話セールスの仕事をかけもちし、
女性として社会に適応するためひっそりと“埋没”して暮らす日々です。
彼女の姿そのものが、誰からも理解されず偏見の中で苦悩してきた人生を物語り、
その苦悩とほろ苦さを思うだけで胸がきゅ~っとなってくるのですよ。
性同一性障害については、以前は自己意識の性(gender)を
生物学的な性(sex)に近づけることが一般的でしたが、
日本でも1998年に埼玉医科大学で国内初の公的に知られた性転換手術が行われ、
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律が平成16年に施行されました。
個人の性的嗜好や倫理観の問題ではないことが認められて
法や医療制度の見直しにつながったのですね。
急増する社員の「心の病」への対策としてメンタルヘルスに取り組む企業が増えたこと、
今年6月に自殺対策基本法案が可決されたことも同様の流れでしょう。
もちろんこれで全てが解決するわけではありませんが、
法が整備され広く社会で認知されることの意味は大きいと思います。
映画のラストが希望を感じさせてくれるものだったことも、
ハッピーエンド好きの私にはたまりませんでした。
人生は滑稽で切ない、それでも生きていれば
ささやかな幸せがあるんだな~と思わせてくれる作品です。
みなさんにもぜひ観てほしい!心からそう思います(^^)。
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